予備知識

羽生 善治(はぶ よしはる)は、日本将棋棋士十九世名人永世竜王永世王位名誉王座永世棋王永世王将永世棋聖の称号資格保持者、及び名誉NHK杯選手権者の称号保持者。

羽生善治は史上最も優れた棋士の一人だ。彼は真の「盤上の王」である。
ここではプロ棋士としての経験についてのインタビューに語ってくれた。

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1

将棋をすることを初めて学んだのはいつでしょうか?

小学校1年生のときだったね。最初、ほとんどのゲームで負けたけど、一ヶ月かそこらで、勝ち始めたんだ。二年生のとき、子供のトーナメントで参加した八王子にある将棋道場に行ったんだ。
決勝に行けるほど上手くなかったけどゲームは楽しめたよ。僕はより良い棋士になりたかったし、練習のために道場に通い始めたんだ。

将棋のどこらへんが好きですか?

子供の頃、多くの異なる駒で遊ぶのが面白いと気付いたんだ。それぞれの駒は異なる動きを持つ。それに、ゲームの結果も明快だ。勝つか負けるかだからね。ゲーム全体は原因と結果のプロセスだし、勝ち負けは自分自身の責任だ。もちろん、負けて良い気分はしないけど、凄く奥深いから僕は将棋が好きなんだ。

NEW WORDS and PHRASES
unknown:未知  elementary:基礎の  qualify:資格を与える  result:結果  clear-cut:明快  entire:全体  process:行程  effect:影響  responsibility:責任  depth:深さ

2

プロのキャリアの中で、羽生さんはゲームで70%以上の勝率を誇ります。(駒を)動かすとき、常に自信はありますか?

たまに、どれを動かすのか決めるのが非常に難しいときがある。深く考える時間が十分になく、駒に手を置くまで次の動きをどうするかすら分からない。これが運が向いてきたときだ。*at times:たまに
自分の手が良い選択をすることを信じるんだ。じゃあ、あなたの問いに答えると、駒を動かすときいつも自信があるわけじゃないよ。

プロ棋士は何百もの先の動きを考える事が出来ると聞きました。合っていますか?

ああ、それについてはっきり分からないね。棋士のグループでは、10手先にどうなっているか予測できるかどうか討論していたんだ。
みんな出来ないことに賛同してくれたよ。将棋をするとき、(駒を)動かすごとに決定を下す必要がある。
前に述べたように、完全に自信を持てる場合ばかりじゃない。むしろ、これは多分正しい動きなんだと考えている。対戦相手は予想もしない動きを返してくるかもしれないし、ゲームが終わるまでそのプロセスが続くんだ。

最も重要なのは決断力だね。

NEW WORDS and PHRASES
career:経歴  confident:自信がある  correct:正しい  discuss:討論する  predict:予想する  decision:決定  confidence:自信  probably:おそらく  opponent:相手  expect:予想  decision-making:決断

3

決断をするときに、自分の直感に頼ることはありますか?

うん、僕は直感というものを信じている。経験上、直感に基づいた動きの約70%は正しいということがわかった。
*turn out~ : ということがわかる
多くの動きを予想できることは重要だが、より重要なのは注意を2,3の良い動きに集中できることだ。直感が必要になるのはここだ。しかし覚えといてほしいのは、直感は多くの経験を通してのみ手に入るということ。

過去の戦略を研究することに多くの時間を費やしますか?

あらゆる戦略を学ぶことは重要だ。しかし戦略を知ることと、対戦に勝てることはまったく異なる。
A is one thing, B is another: AとBは別問題である
必要なことは、その戦略の意味を本当に理解することによって、知識を知恵に変えることだ。

羽生さんはたまに意外な手で相手を驚かせることがあります。それは対戦に勝つのに効果的ですか?

必ずしもそうでない。もしなにか新しいことを試すと、50%以上の確率で失敗するだろう。もし安全にやるならば、しばらくは高い勝率を維持できるかもしれないが、今から10年先も勝ち続けていることはできない。
そしてやがて、創造性を失う結果になる。なにか独創的なことを試すほうがもっと楽しいんだ。

NEW WORDS and PHRASES
intuition:直感  base:基  anticipate:予想する  gain:得る  strategy:戦略  various:様々な  wisdom:知恵  unexpected:予期せず  necessarily:必ずしも  maintain:維持する  creativity:創造性  original:独創的な、起源の

4

羽生さんは偉大な才能を持っていると皆知っています。自分の才能をどのように定義しますか。

うーん、もし僕に才能があるとすれば、それは 忍耐だろうね。駒の進め方を予期できること、あるいは、ひらめきを持つことは重要だが、将棋を上達させるために努力することが、いかなるときでも持ちうる最大の才能だ。

あなたは将棋に愛しているように見えます。将棋の対戦の中でいちばん魅力的なところはなんですか。

将棋の歴史において、何十万回と対戦が行われてきた、私たちは将棋の世界のほんの一部分しか知らない。将棋をするたびに私は見知らぬ領域へ旅立っているような気がする。だから、それが将棋の魅力的なところだ。

もしあなたがプロの棋士でないなら、なにをしているだろうと考えたことはありますか。

私はいままで、本当にそんなことは思ったこともありません。もし、ほかの仕事に就くよう強いられるならば、たぶん一日だけタクシーを運転してみたいかもしれません。毎日どこへ行くかわからないから、それは興味深い仕事だと思う。

モットーはありますか。

幸運は勇者に味方する。

NEW WORDS and PHRASES
perseverance:忍耐  inspiration:ひらめき  improve:上達する  fascinating:魅了する  journey:旅  force:強要する  fortunate:幸運  bold:大胆

Optional Reading

Computers vs. Human Shogi Players

ボードゲームにおいてコンピュータが人間に勝ることは可能であるか?

チェスの関する限りは答えはイエスだ。

1997年、コンピュータソフトウェアのディープ・ブルー・がグランドマスターであるガリー・カスパロフを打ち破ることによって、コンピュータのチェスプログラムが人間を上回ると証明した。

チェスよりさらに複雑だと想定されるボードゲームである将棋はどうであろうか。

答えはイエスでありノーである。

2007年、タイトル保持者であるプロ将棋選手の渡辺明は、前年に世界コンピューター将棋チャンピオンシップで優勝したプログラムであるバナンザと競った。

渡辺がコンピュータプログラムを打ち破る形で幕を閉じた。

彼はコンピュータプログラムに関しこう語っている「コンピュータプログラムなどまだ先が長いと思っていたが、プロと並び立つところまで届いたのだと認識しなければならない。」

彼の意見は本当となった.。

2010年、コンピュータシステムのあから2010が、女流棋士のトップの一人である清水市代を打ち破ったのだ。

清水はこう語った「敗北に少しいらだってはいるが、ソフトウェアの開発に参加した人々に対して尊敬の念が絶えない。」

2012年、引退した将棋の巨匠である米長邦雄は、2011年の世界コンピュータ将棋チャンピオンシップで優勝したコンピュータプログラムのボンクラスからの挑戦を受けた。

このプログラムは1秒間に1800万の動きを予測する能力がある。

米長はかつては名誉ある名人の称号を保有していたため、将棋ファンたちは皆この試合に興奮するのは当然だった。

結果は米長がコンピュータプログラムに負けた。

米長はいずれコンピュータは最高棋士に勝つかもしれないと認めた。

しかし、彼は将棋の人気が衰える事はないだろうと信じている。

彼はこう言う「コンピュータがプロ棋士に勝てるかどうか重要なことではない。もっとも重要な事は将棋の試合の中でできる限り良い動きを見つける努力をし続けることである。」

Comprehension

Check

1. 次の内どれが、羽生の最も重要なメッセイジだろうか?_____C____

a. 運は熱心に取り組むことよりももっと重要だ。

b. 私たちはできるだけ早く将棋を習うべきだ。

c. 私たちは一生懸命取り組んで、経験から学び、そして新しいことを試してみるべきだ。

2. 羽生は直感を信じている、なぜならそれは彼を___C___させるからだ。

a. いつも正しい差し手に

b. 100手先の動きを読ま

c. 数回のよい動きに集中

3. 彼が将棋をしている時、羽生は彼が知らない領域に旅をしているように感じている。それはどういう意味なのか?__a__

a. それぞれの対戦は驚きに満ちている。

b. 彼はいつも対戦している時自信を持っている。

c. 彼は対戦で何が起こるか予想できる。

Summary

 Habu Yoshiharu, one of the (1. greatest ) shogi players in history, learned to play as a child. He is now “King of the Board.” Sometimes even the king has a difficult time deciding which (2. choice ) to make. It is important to learn various (3. strategies ), but you have to understand their meaning. Based on (4. experience ), he also uses intuition to make unexpected moves. He loves shogi because it has great (5. depth ). He believes that hard work, experience, and creativity will lead to good fortune.

 羽生善治は、歴史上(1.もっとも偉大な )将棋士だが、子供の時に(将棋を)習いはじめた。彼は今や「盤上の王」だ。王者でさえもどの手を打つか(2. 選択 )を決めるのに困難な時がある。様々な(3. 戦略 ) を学ぶことは重要だが、それらの意味を理解しなけれがならない。(4. 経験 ) に基づき、彼はまた予期しない動きのための直観を使う。将棋にはとても(5. 深み ) があるので、彼は将棋を愛している。彼は、熱心に取り組むこと、経験、そして創造性が幸運を導くと信じている。

Excercises

1.

1. ( The ) ( chances ) are that you won’t have to go.

 あなたが行く必要が無い可能性が高い。

2. I ( ended ) ( up ) spending the night in a hotel.

 私は結局ホテルでその夜を過ごした。

3. ( Hundreds ) of ( thousands ) of people visited Ueno Zoo to see the pandas.

 大変多くの人々が、パンダを見るために上野動物園を訪れた。

2.

1. As a child I found ( it interesting that you ) play with many different pieces.

 子供のころ、私はたくさんの違った駒で遊ぶのは面白いと思った。

2. It is ( not always the case that ) you have full confidence.

 あなたが いつも自信に充ち溢れている (という訳ではない )。

3. Working hard to improve your shogi is ( the greatest talent you can ever have ).

 自分の将棋を上達させるために熱心に取り組むことは、( あなたが持っている最も素晴らしい才能だ)。

3.

1. Rich people are ( not necessarily ) happy.

 金持ちの人が常に幸せ ( とは限らない )。

2. The party ( went on ) till late at night.

 そのパーティーは夜遅くまで ( 続いた )。

3. My mother taught me to cook, and I ( in turn ) taught my son.

 私の母は私に料理を教えてくれ、( 今度は )私が自分の息子に教えた。

4. The lady ( lives by ) the Bible.

 その婦人は、聖書を ( 頼りに )生きている。

4.

1. Our teacher was born in 1969, when Apollo 11 landed on the moon.

2.Not knowing which way to go, she stood still.

3. I don’t know whether we should buy the house or not. ( または、whether or not we should buy the house.)